ロードバイク乗りは練習したら、なぜ強くなるのか (体では何が起こるのか)
レースシーズンもそろそろ終わり。
冬の時期は次なるシーズンに向けて、新しい機材を試してみたりトレーニングに関する知識をつけたり、体のケアをおこなったりする期間である。
また、次のシーズンへの下地づくりを行うためにトレーニングを行う。
さて、ロードバイクに乗りまくってトレーニングをし、パフォーマンスが向上したとき、体には何が起こっているのだろうか。
どうして練習すれば強くなるのだろうか。
よく考えてみれば、詳しく理解していなかった。
確かに筋力は多少つくかもしれない。
しかし、筋力だけでは説明できないはずだ。
なぜなら筋力しか向上しないのならクリス・フルームの脚はどこまでも太くなっているはずだからだ笑
そこで先日読んだ「スポーツの栄養学」を参考に、どうして練習すれば強くなれるのかを考えてみた。
ほんとこの本おすすめ。
さっき見たら在庫入荷してた。
まず、強さとは何か、を定義するのは難しい。。
スプリント力、ヒルクラのタイム、TTのタイム等々。
ここではエンデュランス能力の向上ということで考える。
俗に言う、脚が売り切れた、脚が終わった状態になるまでの時間が長くなることだ。
パフォーマンスが向上する1つめの理由としては、
筋肉に糖質が取り込まれやすくなるということがある。
骨格筋は血液中の糖をとりこみ、グリコーゲンを補充する。
血液中の糖はGLUT-4という糖の輸送体で細胞内へとりこまれる。
このGULT-4が増えることで効率よく骨格筋内へ血糖がとりこまれるようになるということだ。
2つめの理由として、
トレーニングをすると体が糖質よりも脂質を消費しやすくなるため、筋肉からグリコーゲンが消費されにくくなり長持ちするようになりということだ。
骨格筋にはエネルギー源のグリコーゲンが蓄えられている。
グリコーゲンとは糖質の最小単位のブドウ糖が繋がったものである。
骨格筋に蓄えられているグリコーゲンを消費しきって枯渇したら、脚が売り切れる。
骨格筋細胞では、ミトコンドリアによって筋肉のエネルギー源となるATPを産生する。
筋肉を動かしてATPの消費量が増えると、グリコーゲンを消費するようになる。
トレーニングをして体を鍛えていくと、ミトコンドリアが増加し、ATPの産生量が増えるため、そのぶんグリコーゲンを消費しにくくなる。
そしてそのぶん脂質を利用したエネルギー産生が増える。
さらに3つめの理由として、疲労物質の乳酸が作られにくくなるということがある。
グリコーゲンは分解されると乳酸が発生する。
乳酸が筋肉に蓄積すると疲労を感じるが、ミトコンドリア量が増加することで脂肪酸を利用したエネルギー産生量が増えるため、結果的にグリコーゲンを利用したエネルギー産生は減る。
結果として乳酸産生量も減る。
ねがったりかなったり。
まとめると持久的トレーニングを行えば
1. 筋肉に糖を取り込みやすくなる
2. 糖を節約した省エネモードで運動ができる
3. 乳酸が発生しにくくなる
この3つの能力が高まることで、FTP付近の高い出力を維持する能力が高まる。
筋肉、ミトコンドリア頑張れ!
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