冬場は「ロードバイクの科学」を読んで、より速く効率よく走る知識を得るべし!
ロードバイク乗りとして、効率よく速く走るための知識は必須だ。
ロードバイク乗りの知識として持っておきたい分野は、物理学と生理学、生化学くらいだろうか。
物理学で空気抵抗や摩擦係数、効果的なコーナリングやブレーキのかけ方への理解が深まるし、生理学や生化学でエネルギー代謝やトレーニング時の補給について考えが及ぶようになる。
ロードバイクで最大の抵抗となる空気抵抗はどうすれば小さくなるか、実際にそれを小さくすることでどれほどの効果があるかを知っておけば、数パーセントの駆け引きで勝敗が決まるレースでも有利な展開に持っていける。
また知識はあってもそれをうまく実践に活かせるようになるには、多少の練習が必要だ。
そんなわけで、ロードバイク乗りとしての物理学的な素養をつけるのは冬がいいのではないか。
前置きが長くなってしまったが、オススメな良書を一冊紹介しよう。
それは「ロードバイクの科学 」だ。
ロードバイク乗りの中ではご存知の方も多い名著だ。
ロードバイクの科学―明解にして実用! そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い (SJセレクトムック No. 66)
- 作者: ふじいのりあき
- 出版社/メーカー: スキージャーナル
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: ムック
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実際に使える知識がこれほど分かりやすくまとまった本は少ないだろう。
この本の著者は本田技研のエンジニアをしている自転車マニアだそうだ。
この本には実際に走っていたら気になる疑問点に対する答えがたくさん散りばめられており、読むと使いたくなる知識が満載である。
具体的にいくつか紹介すると、
・空気抵抗に関する知識と減らし方
・ブレーキングの知識
・コーナリングの知識
・エネルギーマネジメント
などなどだ。
空気抵抗が大きいのは知っていたが、15km/hの時点ですでに転がり抵抗と空気抵抗が等しくなり、30km/hで走ると全体の3/4は空気抵抗になってしまう、などということが数字で示してある。
数字になると実感が伴うし、出来る限り下ハンを持って空気抵抗減らそうかな、という発想にもなるし、トレイン組めば楽なのはこういうことか、という考えになるのも繋がる。
ちなみに著者の実測値によると、トレインを組めば、後ろの人は前の人の約70%以下の力で走ることができるそうだ。
その他にもエアロポジションをとればどれほど速くなるか、という記事もある。
自分はその項を読んでダウンヒルバー を導入した。
さらに、コーナリング時のブレーキングや重心の位置などについても記載があり、どういう走りが最も効率よく走れるかなども載っている。
意外とブレーキをかけずに突っ込むコーナリングは遅い、ことがわかる。
また、ロングライド時のエネルギーマネジメントにも言及がある。
知っているのと知らないのでは大違いだ。
自分はロングライドをするとハンガーノックになることが多かった。
結構食べているつもりなのに、どこかで体に力が入らなくなって動けなくなってしまう。
その状態で補給をしてもなかなか回復しない。
結局フラフラになりながらゾンビモードで走り切ることが多かった。
しかしこの本のエネルギーマネジメントを参考にして、自分の消費エネルギーを考えながらコンビニ休憩時にカロリーを計算しながら食べていると、福岡〜鹿児島間をハンガーノックになることなく1日で走ることができた。
やはり数字で理解しながら走るだけで、確実性が全然違う。
感覚でなんとかできればいいが、そうもいかないことも多いので。
この本は図やグラフ、写真と筆者の体感や実測値がふんだんに使ってあり、次のライドから使える知識が満載だ。
ここまで現実に即した知識がまとまった本は他にないだろう。
大量に知識も載っているし、ウィークエンドライダーからレース出場目的の人まで幅広く使える内容が沢山だ。
自分も何度も読みなおしたし、そのたびに新たな発見がある。
ロードバイク乗りならばぜひ一度読んで、必要な素養を身につけてより上手いライドを体得して欲しい。
ロードバイク乗りとしてのレベルが一段上がるだろう。
「ロードバイクの科学 」オススメです。