ビンディングペダル考 -SPDペダル or SPD-SLペダル?-
ロードバイクを買って、とりあえずフラペで乗り回すようになり、フラペでも50kmくらいは走れるようになってきたぞというロードバイク乗り。
そんなとき次にグレードアップを図るものは、なんといってもペダルとシューズだ。
ハンドルを交換する、とかステムを、とかシートポストを、とかはなんだか上級者過ぎる気もするし、それを変えた所でかけたお金に対して速さに与える影響はそこまで大きくなさそうだ。
それなら力の伝達具合が圧倒的に変わる、ビンディングペダルとシューズを導入するのがよさそうだ、と考えるだろう。
ホイールとタイヤでもいいが、流石にホイールにまだ6-7万も出せないし、というところだろうし。
フラペからビンディング化することで得られるメリットは大きく3つ。
1.引き足が使える
2.足が外れないので本気でもがける
3.乗ってる人な感じがする(笑)
というところだろうか。
引き足が使えるようになるのも練習が必要だが、長く乗っていれば勝手に身につくものだ。
引き足が身についたかどうかを自覚するには、フラペでロードに乗ってみるとわかる。
ペダルを踏み込んだ後、後ろ側でペダルから足が浮いてしまうかどうかだ。速く漕ごうとするとペタペタ後ろ足が浮く。足がペダルから外れそうで不安定極まりない。
ここまでくればもうビンディング無しでは不安になってくるだろう。
さて、ここからはSPDペダルとSPD-SLペダルについて述べよう。
左のように片面SPD片面フラペタイプもあれば、右のように両面SPDタイプもある。 ペダルを買えばクリートは付属する。
シューズ側のクリートは下の画像のように小さく、金属製だ。
SPDシューズならクリートが小さいため、歩くときカツカツ音はなるがさほど支障はない。
クリートとシューズは横方向に割と大きめに自由度があり、がっちり固定されるというよりは、外れないように止まる、といった感じか。
SPDは、シューズもMTBっぽいもの、ロードっぽいものから、タウンユース用やサンダルタイプまである。
ちなみにグルメライドなどで、歩きまわるときクリートの削れが気になる方はクリートカバー もある。少々歩きにくくはなるが歩行音は減る。
それに対してSPD-SLペダルは、ロードバイク乗りが使用すると考えていい。
片面のものしかないので、クリートを嵌めるのには少々慣れがいる。
上のループになっているところめがけてクリートの先端をはめ、体重をかけて後ろ側も嵌めこむ感じ。
両面嵌められるタイプではSPEEDPLAYのものもあるが、クリートがゴツいのとクリート維持費がお高いのでまだ自分は使ったことがない。
あと普通の靴では非常に漕ぎにくい。
膝には優しいらしい。
3°動く黄色のSM-SH11と1°のSM-SH12と動かない赤のSM-SH10だ。
SPDペダル購入時は黄色のSM-SH11が付属してくる。
最初は黄色を使い、ポジションが固まってきたら青や赤に移行してもいいかもしれない。
自分は黄色から青に変えた際、しっかりペダルのポジションがでてなかったからか、膝が痛くなってしまったので、じき黄色に戻す予定だ。
ずっと黄色の人も多い。
クリートは大きくプラスチック製。歩けないことはないがなかなか歩きにくいし、クリートの削れやシューズの削れが気になる。
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さて本題に戻ろう。
この答えを出すためには自分がどういう乗り方をするだろうか、と考える必要がある。
とりあえず、ポイントとなる比較項目を挙げてみる。
- 力の伝わりやすさ SPD < SPD-SL
- 軽さ SPD < SPD-SL
- ロードバイクっぽさ SPD < SPD-SL
- クリートの耐久性 SPD > SPD-SL
- 歩きやすさ SPD > SPD-SL
- クリートの嵌めやすさ SPD > SPD-SL
将来的にレースにでるつもりがある、とか、効率よく速く走りたい、という気持ちがある人は絶対SPD-SL。
軽いし力が伝わりやすい。SPDは拇指球にピンポイントで力を込める感じだが、SPD-SLはもう少し広い範囲で力をかけられる。
ダイレクト感が違う。
自転車でどこかにいって現地を散策したり、写真を撮ったり、グルメライドをしたり、という用途ならSPDがいい。
歩けること、に重きを置けるからだ。
一つの結論として、
速く乗ることが目的ならSPD-SL。
歩くことを前提に考えるならSPD。
ではないだろうか。
これに大きな異論はないだろうと思う。
さて、ここで1つ大きな論点。
初心者がSPD-SLを使うのは敷居が高い気がするから、その前のステップとしてSPDを使うのは是か非か?
ここに悩む方は多いだろう。
自分の場合を紹介しよう。
最初は片面フラペ片面SPDのペダル を導入した。
レースに出るつもりなどさらさらなかったし、ロードバイクは片道26kmの通学目的での使用が前提だったからだ。
自転車を停めてから歩くことも多いし、信号停車も多いのでクリート外しやすいほうがいいだろう、と考えたためだ。
また、ときには普通の靴で乗ることもあるだろうし、との考えもあった。
5ヶ月くらいすると、SPDシューズのソールが割れてしまった。
SPDではシューズとペダルの接地面が小さく、ピンポイントで力のかかってしまう。
ソールには金属が入っていたが、繰り返しのペダリングによる金属疲労でやられたようだ。
また壊れるのも嫌だし、もうちょっと速く走りたいと感じるようになったので、これを機に105のSPD-SLを導入。
クリートを嵌めたときにカチッと感が心地よい。
嵌めにくいとか外れにくいとかは感じなかった。力を正しい方向にかければすぐ外れる。
むしろ可動性が減ってペダルに力をかけやすいと感じた。
また、思っていたほど歩けないことはないな、と感じた。まあこの靴で500mとか歩くのはちょっとなあと思うが。
あと、普通の靴でもSPD-SLペダルでペダリングできなくはない。
ただ、ペダルに突起がないため、靴の裏が濡れていたりすると足が滑るので、思い切り漕ぐのは無理。
普通にゆったり乗る分には大丈夫かと。
ちなみに、SPD-SLに変えてレースなどにも出るくらいにはハードに使用して3年以上経つが、シューズが壊れたりはしていない。
そろそろボロくなったので、軽くて格好いいものを物色しているところだ。
結論として、最初からSPD-SLでもよかったかなとは感じる。
ロードバイクでグルメライドに出掛けても、そんなにたくさん歩くことはないし、食べることも大事だが道中のライドも大事だし。
レースに出る人はほとんどSPD-SLを使用しているというのもあるけれども。まれにSPDの人もいるが重たそう。
どっちがいいかわからん!両方使えるやつがいい!という方のために、
どっちにも対応したSH-R088W というシューズもある。
ソールの面がSPDのクリートもSPD-SLのクリートも装着できる。
ペダルは買い替えになってしまうけどね。
個人的に相談を受けた場合、自分なら最初からSPD-SLを導入しておけ、と進める場合が多いかなあ。値段がそこまで違うわけじゃないしね。
参考になれば幸いです。
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